 | 角川選書 平太の戊辰戦争 − 少年兵が見た会津藩の落日初版発行 | 1998年4月10日 | 発行所 | 株式会社角川書店 | カバー絵 | 「若松城下図屏風」(會州一藏品館蔵) | 定価 | 本体1,400円+税 |
会津戊辰戦争の歴史は、従来、会津藩士とその家族たちの義に殉じる凄絶な悲劇や敗者として歩んだ苛酷な運命が強調されがちだった。しかし、十五歳の少年兵。平太が体験し、記録したこの戦争には、「もうひとつの戊辰戦争」ともいえる現実があった。エリート少年たち白虎隊とは別に、平太は父と同じ部隊に所属して越後を転戦する。激戦で負傷した父を会津城下に連れ帰り、さらに薩長軍がなだれ込む城下の大混乱の中から瀕死の父を裸足で背負って辛うじて逃げのびたあげく、父の憤死を看取る。平太は藩首脳部の武士道精神とは異なる意識で、戦争と人間の現実のあり方を身すえていた。 |