刊行物の表紙へ|1|2345678910111213141516
敗者の維新史 − 会津藩士荒川勝茂の日記中公新書
敗者の維新史 − 会津藩士荒川勝茂の日記
初版発行 1990年4月25日
発行所 中央公論社
定価 本体680円+税

朝敵とされた会津の人々の上に、戦火の嵐は否応なく襲いかかった。その中で、荒川勝茂は勇猛を誇る佐川官兵衛隊にあって血槍を振るい、戦争の悲劇を身をもって体験した。戦後は新潟での謹慎、さらには慈しむ家族とともに、下北の苛酷な暮らしを強いられる。迎えた新生日本も、勝茂一家を窮乏と苦悩から解き放つことはなかった。しかし、勝茂は会津武士の衿持を捨てず、試練に耐えた。彼の履歴書に記す。”罰 かつて受けし事なし”と。

奥羽越列藩同盟 − 東日本政府樹立の夢中公新書
奥羽越列藩同盟 − 東日本政府樹立の夢
初版発行 1995年3月15日
発行所 中央公論社
定価 本体800円+税

鳥羽伏見の戦いに敗れた会津藩救済を当初の目的とした列藩同盟は、いつしか明治天皇を奉戴する薩摩藩政権に対抗して、輪王寺宮公現法親王を擁立する東日本政府樹立に向かって結束を固めていく。なかでも仙台藩の玉虫左太夫は、渡米体験をもつ国際派参謀として精力的に活動する。凄まじく厳しい権力抗争の渦中に身命を投じて敗者となった仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡諸藩のの志士の動向に、秘められた戊辰戦争の諸相をみる。

会津白虎隊 − 物語と史跡をたずねて成美文庫
会津白虎隊 − 物語と史跡をたずねて
初版発行 1996年4月15日
発行所 成美堂出版株式会社
カバー装幀 百鬼丸
定価 本体543円+税

白虎隊の悲劇を残して会津藩は滅んだ。京都守護職として幕府政局の中心にいた会津藩は、尊攘倒幕派と対立。王政復古のクーデター、鳥羽・伏見の戦を経て、奥羽越列藩同盟を結び、全面戦争へと突入。近代兵器に勝る薩長軍の前に敗戦を重ね、ついに降伏したが、美しい風土の中で純粋培養された会津の武士道は、白虎隊の少年達に受けつがれ、飯盛山での集団自決という形で見事に昇華した。

会津農兵隊始末記廣済堂文庫
会津農兵隊始末記
初版発行 1998年2月1日
発行所 廣済堂出版
カバーデザイン 原田幸生
カーバーイラスト 毛利彰
定価 本体543円+税

錦旗を翻し江戸を手中にした官軍は、次いで奥羽進攻を開始。約1カ月にわたる籠城戦の末ついに鶴ヶ城は落城し、会津戦争に終止符が打たれた。が、城下の戦いで唯一負けなかったのが会津農兵隊であった。猛将佐川官兵衛に率いられた農兵隊は、そらいの陣笠と胴丸を付け、刀や槍を手にし、峠の奥に立て籠りを次々と官軍を襲い、敵を捕らえるや腹を切り裂き肝を喰い、首を切って青竹に吊し、官軍を恐怖のどん底に陥れた。

平太の戊辰戦争 − 少年兵が見た会津藩の落日角川選書
平太の戊辰戦争 − 少年兵が見た会津藩の落日
初版発行 1998年4月10日
発行所 株式会社角川書店
カバー絵 「若松城下図屏風」(會州一藏品館蔵)
定価 本体1,400円+税

会津戊辰戦争の歴史は、従来、会津藩士とその家族たちの義に殉じる凄絶な悲劇や敗者として歩んだ苛酷な運命が強調されがちだった。しかし、十五歳の少年兵。平太が体験し、記録したこの戦争には、「もうひとつの戊辰戦争」ともいえる現実があった。エリート少年たち白虎隊とは別に、平太は父と同じ部隊に所属して越後を転戦する。激戦で負傷した父を会津城下に連れ帰り、さらに薩長軍がなだれ込む城下の大混乱の中から瀕死の父を裸足で背負って辛うじて逃げのびたあげく、父の憤死を看取る。平太は藩首脳部の武士道精神とは異なる意識で、戦争と人間の現実のあり方を身すえていた。

刊行物の表紙へ|1|2345678910111213141516
株式会社メディアハウス